ゴールデンウイークに、学生時代に読んでいた本をふと手に取り、なつかしさもあって今回ご紹介します。
タイトルは『本を読む本』(講談社・著者:M・J・アドラー、C・V・ドーレン・訳:外山滋比古・槇未知子)です。この本は、読むに値する良書とは何か、読書の本来の意味とは何かということから紐解きながら具体的な読書術を解説したものです。
その読書術をごく簡単に説明しますと、読書には
①初級読書(小学校の国語の授業で習うレベルの読解)
②点検読書(読むに値する本かどうかを判断するための読書)
③分析読書(いわゆる精読・熟読。第1段階として「本の主題を見極める」、第2段階として「本の内容を理解する」、第3段階として「本を批評する。」)
④シントピカル読書(テーマを決めて、そのテーマを掘り下げるために2冊以上の本を同時に読む。シントピカル読書は5段階に分けて行うのですが、長くなるので割愛します。)
というレベルがあり、今どのレベルの読書をしているのか、自分がどのレベルの読書をする
能力があるのかを意識することが肝要とのことです。
幼少期から読書をするのは嫌いではなかったのですが、恥ずかしながらこの本を読むまでは、食事中にテレビを観るような感覚で本を読んでいました。この本は、読書術を解説したものですが、「思考」を意識させてくれました。
弁護士をしていると、裁判例・文献・論文・事件関係者から届く書面など日々大量の文章
を読みます。無意識のうちに4つのレベルの読書をしていたのでしょうが、改めて初心に返るきっかけになりました。
朝倉オフィス 弁護士 坂口裕亮