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医療判例を読む会に参加しました

2023年9月13日に福岡地方裁判所にて開催された医療判例を読む会に参加しました。この会は、裁判官、医療機関側の弁護士、患者側の弁護士が集まり、医療過誤に関する重要な裁判例を研究することを目的としたものです。

この日は、私が報告者を務めさせていただきました。私が報告をした裁判例は患者さんの褥瘡(いわゆる「床ずれ」)リスクが高かったにも関わらず、2時間おきの体位交換を行わず、エアマット等を使用するなどの褥瘡予防の処置を講じなかったことが過失とされた事案で、主に医療機関の注意義務の内容が議題となりました。

「褥瘡予防管理ガイドライン」(日本褥瘡学会)では、「2時間おき」の体位交換の推奨度がC1とされています。推奨度とは、科学的根拠の有無・程度によって決められるもので、C1とは、平たく言うと、「科学的根拠は十分ではないが、やってもよい」というものです。

私が報告した裁判例では、看護計画に「2時間おきの体位交換を行う」と記載されていたことなどから、判決では、病院は2時間おきの体位交換を行う義務があったと判断しましたが、この裁判例を離れて、看護計画にも体位交換の頻度を記載していなかった場合には、どの程度の頻度で体位交換を行う義務があったと判断されるべきかが議論されました。

私としては、個々の患者さんの褥瘡リスクの有無・程度は当然考慮されなければならないとは思いますが、基本的には上記ガイドラインに沿って、2時間おきの体位交換が必要であると考えています。ガイドラインでは推奨度C1、すなわち「やってもよい」であって、過失の判断の前提となる医療水準(「やらなければならない」)とは異なりますが、褥瘡予防に関しては、厳密な比較対象実験が困難な部類であり、科学的根拠を見出すことは困難だと思いますので、それを前提としたうえで、ガイドラインに「2時間おき」と記載されていることを考える必要があると思います。

 

【2023年10月の朝倉オフィスの出張相談のご案内】

朝倉オフィスでは、毎月筑前町コスモスプラザ(福岡県朝倉郡筑前町篠隈373番地)で無料法律相談会を実施しております。

【10月の相談会の日程】

2023年10月19日(木)13:00~16:30 (筑前町コスモスプラザ)

(定員)3名(1名1時間)

相談ご希望の方は、電話予約制(申込み順に受付)となっておりますので、朝倉オフィスまでお電話下さい。

朝倉オフィス ℡0946―23―9933(平日9:00~17:30)

弁護士 坂口裕亮

 

 

 

 

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