2月26日にNPO法人九州アドボカシーセンターと自由法曹団福岡支部、福岡青年法律家協会が主催して竹下義樹弁護士(京都弁護士会所属)の講演会を開催しました。
竹下弁護士の話を聞いて、一番強く感じたことは、彼の司法試験合格への執念です。
9回目での合格ということは、当時の受験環境からして、それ程驚くことはありませんが、点字の司法試験実現に向けての国(法務省)への要請行動、六法など受験教材の点字化、及び膨大な録音テープの作成などは、はるかに想像を超えたものでした。キーワードは彼を支える仲間の力と、それまでに出会った学校の教師の存在だと思いますが、ただ彼は目が不自由でなかったら弁護士は志望しなかったと応えたように、何が何でも弁護士にということは必ずしもなかったとも話しました。
彼は勉強以外の分野、例えばスキーや競馬、釣りなど興味を持った分野には、徹底して極めてみるという尋常でない精神力を持っていたことがわかりました。弁護士になってもならなくても、人生の節目やある局面では様々な困難や試練に直面します。最初の試練は彼にとっては失明という現実でした。その際、彼は困難を乗り越えるためには何が必要で、何が挑戦できるのかを自分を奮い立たせて真剣に考えたと思います。勿論いろんな人の協力も得ながら。
私は、その後の彼の人生の歩みも考えて、彼の「引き出しの多さ」を感じました。どんなことがあっても、こうすれば道が開かれるという術(すべ)を多方面で有していた。そのことが彼のたくましさの源泉になっていたのではないかと。
私自身は、彼のような執念は残念ながら持ち合わせていませんが、残りの人生、「引き出しの多さ」で乗り越えていきたいと感じました。
社会保険労務士 木下淑文(本部オフィス、福岡市東区)
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