2021年4月、朝倉市の公営住宅で聞き取りアンケートを実施しました。2017年7月の九州北部豪雨は本年(2021年)で発災から4年が経過します。
朝倉市が策定した復興計画では、本年(2021年)は「再生期(復旧期と連動し、復旧期に取り組んだ残りの復旧を進めるとともに、被災前の活力を回復し、地域の価値を高める期間)」の2年目と位置付けられています。
朝倉市は2017年12月に被災者の方々を対象としてアンケートを実施していますが、それ以降は実施しておりません。また、朝倉市社会福祉協議会が設置した支えあいセンターも2021年3月をもって閉じられました。
このように、被災者の方々の声を直接届ける機会は減ってきています。
他方、復興計画が進む中で被災者の方々は復旧工事に伴う換地や土地収用など新たな問題に直面しています。また、災害公営住宅での生活はやはり今までの生活とは勝手が違い、日々小さなところで苦労を感じているようです。
アンケートを実施して特に感じたのは、被災者の方々から地元へ戻ることへの諦めの声が多かったことです。高齢の被災者の方は特に「元気なうちに復旧工事が終わる気がしない」「今さら戻っても年を取ればすぐに施設などに入り地元を離れなければならない」といったご意見がありました。
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言も発令されており、アンケート実施には苦慮しているところではありますが、引き続き、被災者の声を届けるべく活動を続けていきたいと思います。
弁護士 坂口裕亮(朝倉オフィス)