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解決事例のご報告

~父母との折り合いが悪くなった未成年者が他の親族の扶養を受け、扶養した親族から父母に対して未成年者の扶養料を請求した事例~

父母と未成年者との折り合いが悪くなったことに伴い未成年者が保護者宅を出て、他の親族が親族宅において約2年半の間未成年者の扶養を行っていた事例において、他の親族が父母に対して未成年者の扶養料の請求を行ったところ、200万円を超える扶養料の請求が認められました。

 

扶養義務者が複数おり、ある扶養義務者が扶養権利者を扶養した場合に他の扶養義務者に対して過去の扶養料の請求ができるかどうかについて、判例では、複数ある扶養義務者のうちの一人が、要扶養状態にある扶養権利者を扶養した場合には、当該扶養義務者は、他の扶養義務者に過去の扶養料を求償することができ、その程度方法について、当事者間に協議が調わないときは、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所がこれを審判で定めるものとされています(最二小判昭42・2・17民集21・1・133頁参照)。

本件においても、同判例にならい、父母および他の親族はいずれも未成熟子である未成年者に対して扶養義務(一般的に生活扶養義務と言われます。)を負っているとしながらも、父母が負っている扶養義務は他の親族の扶養義務に優先すると解されるとして、父母が扶養をしないことから要扶養状態にある末成年者を他の親族が代わって扶養を行った場合には、原則として相手方らに対して扶養に要した費用を求償することができると認定されました。

その上で、どの程度の扶養料を請求できるかという点については、本件において未成年者が親族宅に身を寄せた経緯や親族の対応状況や関係等に照らし、両当事者の収入状況を考慮する養育費の算定方法を基準として請求金額を決めるのが相当であるとされ、結果的に約2年半における扶養料として200万円を超える請求が認められることとなりました。

本件においては、依頼者である親族の方が扶養を行うに至った経緯や実際に行ってきた扶養の対応等に関して具体的な事実を基に主張を展開したことが功を奏したのではないかと思います。

このような事例に限らず、もし、お困りのことがあればどうぞお気軽にご相談にお越しいただければと思います。

 

 

宗像オフィス  弁護士 陣内 隆太

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