近年は,成年年齢の18歳への引き下げもあってか,離婚,養育費,親権に関するご相談が増加傾向にあります。当粕屋オフィスにおいても,本年6月の開設以降,ご夫婦関係,養育費についての御相談が全体に占める割合は比較的高いと感じています。
ところで,離婚の条件のうち,養育費,婚姻費用について話し合う場合には,実務上,「養育費・婚姻費用算定表」を活用して,夫婦それぞれの収入,子どもの人数と年齢から導き出して,簡易迅速に,金額を算定しています。
例えば,支払う者の年収が400万円,支払われる者の年収が200万円,子どもが1人で,0~14歳という場合には,養育費を月額2~4万円,婚姻費用を月額4~6万円というように算定しています。
しかし,この算定表は,平成15年頃の統計に基づいて作成されており,実務で長年使われ続ける中で,金額が低額との意見や,近年の支出傾向や家庭の多様性が反映されていないという問題が,指摘されていました。
東京及び大阪の家庭裁判所の裁判官を中心に,社会情勢の変化を踏まえて,金額が見直すための研究が行われていましたが,このたび,その研究報告が公表されることとなりました。
新たな算定表では,双方の収入状況によっては,現行の算定表よりも増額される場合もあれば,現状と変わらない場合もあるようです。
公表は,本年12月23日が予定されていますが,算定表の公表に併せて,研究報告の概要が示されるようですので,公表された内容を当法人としても早急に検討して,以降の実務において,ご案内,ご説明出来るように準備を進めているところです。
ご夫婦関係でお悩みの方,別居中または離婚後の養育費等でお困りの方,まずは御相談ください。
弁護士 髙本 稔久(粕屋オフィス)