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Monthly Archives: 10月 2024

2024.10.18 NPO法人九州アドボカシーセンター弁護士の魅力セミナー主催「離婚後共同親権 立法に携わる弁護士の魅力~女性の権利先駆者から見た共同親権~」(講師 原田直子弁護士)に参加して

本年、離婚後の父母双方に親権を認める「共同親権」導入を定めた改正民法が成立し(2026年5月24日までに施行されます)、現在離婚を検討中の父あるいは母からの施行後の共同親権についてのご相談を受けることも増えつつあります。そんな折、改正案の議論に実際に参加されていた原田弁護士の講演があることを知り、参加してきました。

 

共同親権について改正民法の条文の概要を整理しますと、

・協議離婚する場合には、その協議で共同親権か、単独親権か決める(改正民法819条1項)

・親権者を指定しないまま離婚をする場合、親権者を定めるよう家庭裁判所に調停または審判を申し立てる(同765条1項2号)

・裁判上の離婚の場合は、裁判所が共同親権か、単独親権かを定める(同819条2項)

・裁判所は、親権者の判断をするにあたり、「子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならない」(同819条7項)

ただし、下記の「いずれかに該当する場合」、その他「父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるとき」は、単独親権と定めなければならない(同項)

①父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき

②父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無、協議が調わない理由その他の事情を考慮して、共同親権を行うことが困難であるとき

 

原田弁護士からは、共同親権が導入された背景としては、国連子どもの権利条約の基本理念(1989年)に、子自身に成長・発達する権利があり、父母による養育はこのような子どもの権利を保障するものであるとされ、欧米各国ではこの条約の批准を機に共同親権が導入されてきたこと、日本でも離婚後の面会交流の実施や親の権限の検討を経て導入に至ったことが説明されました。

他方で、諸外国では、親の権利と同時に子の養育のために義務を果たすこと、その権利が子の利益に反する時は権利が厳しく制限されていることや、協議離婚ではなく、そもそも親権を定めるには事前に支援機関による支援があったり、裁判上の手続きなど当事者以外の関与が制度上保障されている場合があるにもかかわらず、日本ではそのような議論が十分尽くされていないまま共同親権が導入されたことなど問題点もご指摘いただきました。

今回の講演に参加して、共同親権制度は導入されましたが、施行まで2年程あり、その議論状況も見ていく必要があることを改めて感じました。

また、改正民法の条文を見ても、裁判所が親権を判断する基準が抽象的であることから、施行後はもちろん、施行後を見据えて、今の段階から実際の事案ごとに事例の積み重ねが重要であると感じました。

 

弁護士 池永真由美(本部オフィス)

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次回上映は「生きて、生きて、生きろ。」~かすや上映会2025②

本ブログ9/27付けでもご案内のとおり、かすや上映会については、来年(2025年)3/9を開催日として、8月末以降、実行委員会により準備を進めているところですが、実行委員会で選考を進めた上で、上映作品は、「生きて、生きて、生きろ。」と決まりました。

・・・・・・

「頑張れって言ったって何を頑張ればいいの?」

「人間もっと泣かなきゃだめだと思う」

震災と原発事故から13年。福島では時間を経てから発症する遅発性PTSDなど、こころの病が多発していた。

若者の自殺率や児童虐待も増加。メンタルクリニックの院長、蟻塚亮二医師は連日、多くの患者たちと向き合い、その声に耳を傾ける・・・。

患者や利用者たちのおかれた状況には震災と原発事故の影響が色濃くにじむ。

喪失感や絶望に打ちのめされながらも日々を生きようとする人々と、それを支える医療従事者たちのドキュメンタリー。(同公式サイトより)

・・・・・

詳細は、下記公式サイトをご覧ください。

http://ikiro.ndn-news.co.jp

 

現在、糟屋郡の各自治体・教育委員会をはじめ、各団体に後援等のお願いをしており、ちらし・ポスターが完成しましたら、正式にご案内差し上げますが、現時点での開催要項については、下記のとおりです。

今回も多くの方にご来場いただきたく、準備を進めておりますので、しばらくお待ちください。

<上映会概要>

日  時  2025年3月9日(日)13:30~

会  場  サンレイクかすや 多目的ホール

糟屋郡粕屋町駕与丁1-6-1

上映映画  「生きて、生きて、生きろ。」(113分)

制作年   2024年

監  督  島田陽磨

配  給  日本電波ニュース社

主  催  3・11かすや上映会実行委員会

後  援  糟屋郡内各町・教育委員会(現在、申請中)

参加費   500円(予定)

 

弁護士 松嶋健一(粕屋オフィス)

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宗像オフィス改装のお知らせ

去る9月9日、宗像オフィスは、ご相談者様、ご依頼者様の顧客満足向上のため、室内を改装いたしました。

改装のポイントは、入口入ってすぐの待合いスペースにゆったり座れるソファを設置したことと、お手洗いを気軽に利用できるようにお手洗い入口に前面に書庫を設置し、プライベート感を高めたところです。

また、改装に伴いモンステラとスパティフィラムという観葉植物もお迎えしました。

朝倉オフィスの園芸の先輩に教えを乞いながら大切に育て、ご来所のみなさまの癒しスポットになれたら幸いです。

 

さて、宗像オフィスでは休日相談を行っております。

日時は当ホームページのお知らせ・ニュース欄、宗像市市報タウンプレスにてご案内しております。

事前電話予約制ですので、まずは宗像オフィスまでお問い合わせください。

 

宗像オフィス 事務局S

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『決断』上映会&トークイベントが開催されました

2024年10月5日、カトリック大名町教会にて、ドキュメンタリー映画『決断』上映会と『決断』を制作された安孫子亘監督をお招きしてのトークイベントが開催されました。

『決断』は、東日本大震災・福島第一原発事故により平和な日常を奪われ、わずかな情報を頼りに、家族や自分自身の身を守る「決断」をした10家族のドキュメンタリーです。

監督は、原発問題と命がけで戦った元福島県知事佐藤栄佐久氏を追った「知事抹殺の真実」を制作した安孫子亘さんです。九州訴訟の原告の中にも母子避難を決断されたご家族がいます。

決断を迫られた人々に何が起きたのか、今何が起きているのか、その真実を知ることができる作品でした。

上映会後のトークイベントでは、安子孫亘監督、森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表)、金本友孝さん(福島原発事故被害救済九州訴訟原告団代表)を中心に、原発事故で一変した人生の中でそれぞれが今なお懸命に生活している様や映画や避難者、原発事故被災者が真実を語ることの重要性についてのお話を伺いました。

弁護士 坂口裕亮

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解決事例のご紹介 交通事故~異議申立~

別の依頼者のご紹介で、県外にお住まいの方からご相談いただきました。

歩行者として交差点を青信号で横断中、右折してきた車にはねられ、腓骨近位端骨折等の傷害を負った交通事故でした。既に別の弁護士に依頼しているとのことでしたが、当法人への依頼をご希望されたため、受任させていただきました。

当法人にご依頼になる数か月前に出された事前認定では、骨折部の骨癒合は良好に得られており、関節面の不整は認められず、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことに加え、症状経過や治療状況等から将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いとして、非該当の判断がされていました。しかし、ご本人は、長距離を歩くと膝が痛むとお話しでした。

カルテを拝見しますと、後遺障害診断書の作成直前には、レントゲンしか画像検査がなされていないことが分かりました。

そこで、MRI検査を受けてもらうと、骨折線は不明瞭ではあるものの、骨髄浮腫の増強が認められました。調査会社に相談したところ、「MRIだけでもいいかもしれないけど、骨折なら念のためCTも受けた方がよい」との助言がありました。再度お願いしてCT検査を受けてもらうと、骨折後の変化が比較的明確に認められました。

これらの検査結果に基づいて異議申立をし、無事、後遺障害等級12級13号を獲得することができました。理由として使われたのは、やはりMRIではなくCTの結果の方でした。

残念ながら加害者が任意保険に加入しておらず、すぐには十分な賠償を得ることはできませんでした。加害者本人と交渉し、「赤い本」基準に基づく金額と自賠責保険の保険金との差額を分割で支払っていただく内容で、示談を成立させることができました。

この案件では、事故直後にもレントゲンしか画像検査がなされておらず、事故から約1週間後のMRI検査でようやく骨折が発見されていました。事故後、CT検査は頭部にしかなされていなかったので、私自身も、後遺障害等級獲得のためにCT検査を受ける必要性を把握できておらず、調査会社に助けてもらいました。

最近は自賠責の後遺障害の認定が厳しくなっているという噂を耳にすることがあります。しかし、きちんと医学的証拠を提出すれば、非該当が12級になることもあります。非該当にされてしまった後遺症も、諦めずにご相談ください。

弁護士 甫守 一樹 (本部オフィス)

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